パワーコマンダー・コラム
ここでは頂いた質問や情報に基づきパワコマについてコラムします。

事実を元にまとめていくつもりです。これから装着を考えられている方々のお役に立てば本望です。また、俺のはこんなです!というご意見がございましたら、BBSにお気軽にお知らせ下さいませ!

偶然にも周りにZX-12R, GSX-R1000を乗っている方が異常に多いので12Rを基本にお話させて頂きます。所詮セッティングにおいてはバイクの車種関係なく同じ原理なので、12Rはもとより他の車種に乗っている方にも参考になると思います。

<PowerCommander>

パワコマにはII.III.IIIr とあります。これらはキャブレターに取って代わったインジェクションの燃料調整をする物です。そし
て、II と IIIr に置いては、点火時期も変更できます。

インジェクション車が増えてきて、パワコマII でGSX-R1300ハヤブサなどで主流になりました。そして年が経ち、ZX-12R の出現と共に新しい III が現れました。しかしなぜこのIII に点火時期調整機能がないかは疑問です。と思っているとやはり IIIr も発売されました。というわけで、車種や年式にも依りますが、インジェクション車用に各々 II.III.IIIr とリリースされています。IIIr は、IIIの新しいバージョンですが、II と IIIrは全くの別物です。

パワーコマンダーIIIr : 実績表
車種
年式
台数
備考
ZX-12R 2000-2001
106
マレーシア仕様。 全車両絶好調。 全車、問題一切なし。最長使用年月2年2ヶ月問題なし(全開走行率100%)。
27
ヨーロッパ仕様。 不具合発生率95%。 ヨーロッパ仕様は電圧関係が原因と判明、バッテリー強化もしくは増設で解決。
2003
12
マレーシア仕様。 全車両絶好調。
0
購入者無し。情報無し。
GSX-R1000 2001-02
36
ヨーロッパ、カナダ仕様。全車両絶好調。アクセル開度数値も解決(全開走行率ほぼ100%)。
2003
0
購入者無し。情報無し。
GSX-R750 2001-02
8
ヨーロッパ仕様。 全車両絶好調。 アクセル開度数値も解決(全開走行率ほぼ100%)。
CBR600F4i 2002
3
ヨーロッパ仕様。 全車両絶好調。
GSX-1300R 2002
7
結果: 全車問題一切なし。
RC51 2002
49
ヨーロッパ仕様。 全車両絶好調。
パワーコマンダーIII : 実績表
車種
年式
台数
備考
GSX-R1000 2001
16
ヨーロッパ仕様。 全車両絶好調。
Ducati 998 -
43
全車両絶好調。
Ducati 748 97-01
29
ZX-12R 2000
1
弊社のお客様ではありませんが、メールを頂きました。ヨーロッパ仕様。 データマップ部分消滅、某日本代理店にクレームしたところ、返還要求。その後、某日本代理店が豪語する”手直し”を受け返送されたが、なんら症状変わらず。パワコマはプラスチックケースに覆われているのでそう簡単に手直しなどできるはずはなく、とても怪しい。結局返品したとのこと。
<お店の噂>

先日走り仲間の同士から、”パワコマについていくつかのお店に聞いてみたら、「必要無い」、「効果薄い」、「たいして変わらん」などの答えが多くて、何だか困惑している。また、別のお店では期待してほどの効果が無くやめたそうです。で、ノーマルのセッティングに合わせた集合が一番いい!と言ってました。更に、ノーマルのセッティングを無視した集合があるのも事実でそれを入れた場合などは、必要になるのに、ノーマルではロクに走らないでしょう・・・ということでした。”とメールを頂きました。

その困惑を打開すべくここに事実を書きます。

”必要ない”について:

ZX-12Rはノーマルで火を吹くような状態です。これは言うまでもなく、セッティングする余地があり、社外マフラーなら尚更です。

ノーマル状態でいいと思う方には確かに必要はありませんが、そういうケースは除外します。この話はあまり多く語りません。彼女に”バイクなど必要ない”と言われるのに似てるような気が・・・。

”効果薄い”について:

効果ですが、これは誤解されているケースが多いと思いました。パワコマは燃料調整をする為の機械ですので、これ自体がパワーを出すわけではありません。燃調のバランスのズレにより本来失っているパワーを取り戻す物です。そして、それを適正に補正することにより本来出せるはずのパワーを取り戻すのです。大事なのは”マップ”、もしくは”マップ作り”それとオーナーの狙った性能(回転域)を持ったエギゾーストです。

よってノーマルに付けると(12Rの場合)、アクセルオフ時の火は消え乗りずらさも消えます。所詮ノーマルこの程度で速くなったか、というと別段代わりないです。しかし明らかに乗りやすいです。マジー管を入れ、パワコマ3rを入れ、それにマップ(ドンピシャのマップ)を入れると、これは語り尽くせぬくらい最高です。

試しにマップをゼロに戻すと、ノーマル状態にマジー管ポン付けになりますが、これは乗りづらいことこの上なく、火が出ること凄まじく、疲れること言葉にできず、とにかく乗ってられません。まさに上記の通りロクに乗れません。

そして、マップを入れると加速、乗りやすさ、音、レブ針の上がり方、すべて最高です。これこそが”パワコマ効果”だと自負してます。効果薄とは後付けマフラーの為の燃調度合いによるので、マフラーの性能がそこそこ、またはマップのデキがそこそこということになるということになります。

”ノーマルのセッティングに合わせた集合が一番いい”について:

一番いいかどうかは別として、ノーマルに合わせて作ったエギゾーストはリスクもなく、燃調も必要なく手間いらずという面では一番いいと思います。

ノーマルのセッティングを無視した集合とはサドコやマジーなど、揚げるとキリがありありませんが、よりハイパワー(高回転域を狙った)を目指したエギゾーストは基本的に装着後の燃調を必須としています。もとい、ノーマル状態を大事にするのであれば、ノーマルマフラーが一番いいのではと思う次第です。正直、チューニングとは正常に機械の持てるポテンシャルを引き出すことだと思います。

よって、各マフラーメーカー(マフラーに限らず)が製品を開発するに当たり、ノーマルの燃調セッティングを無視するのが当然です。むしろ最初になにを狙うかによって製品の方向性が決まるでしょう。

ひたすらパワーなのか、中速域までのトルクが大事なのか、コーナー時の扱い安さなのか・・・などなど。そして、ノーマルセッティングとマフラー性能のラグを埋めるのがパワコマでありEMSです。MUZZYが、ZX-12R(2002)とマジー管とPC-IIIrで183PS(ラム圧なしで)出ましたと発表しました。これはマフラーとパワコマ両方が生かされて出された数値です。そしてこのセッティングにより、およそ言われ続けてきた”抜けのいいマフラーは下がない”ということは、かなり解決されました。キャブではなかなか厳しかった細かい回転数ごとのセッティングが可能になったからです。最終的にはマップをどう作るか。ですね。

<パワコマの燃料マップを作るにあたり>

古今東西未だに完璧なマップとはまだな少ないものです。ある程度妥協は存在します。また、個人個人それぞれ好みもあるので十人十色なのも事実です。ということで完璧などありませんね。

マフラーを入れたら乗りずらくなり、パワコマ入れたはいいがマップがイマイチ作れない。という方もいらっしゃると思います。

マップを作るのに一番確実な方法としては、ある程度メーカー側の情報(進角限界など)と、燃調を見るための A/F計、ノック開始を把握するためのノックセンサーが必要になりあます。あとはひたすらこのセンサーを読みとり煮詰めるのみです。最終的には、ラム圧も考慮に入れた実走行が重要ですが、今時のリッターバイクのトップエンドで誰が機器を把握しセッティングするのか、バイクにはこれが問題ですね。ロガーでも入れますか・・・。

やはり!基本に戻りましょう。一番よい基準になるのが、”音”です。セッティングが決まると、音がとてもキレイになります。綺麗な音を探しながらマップを増減していきましょう。その為にはいろいろなマップがあれば参考になると思います。

いろいろなマフラーのマップデータを集め比較検討を繰り返し、良いとこ取りのマップ作成がオススメです。 結局はこの方法が確実かもしれません。これだ!と思えたらダイノマシンに乗せて馬力測るのもいいですね。

<点火時期調整>

いくつか方法はありますが、代表的な例だけを取り上げさせて頂きます。

キャブ車:

イグニッションローターを組み込み点火時期を変えることが可能です。しかし、当然ながらローターは1つしか存在しないので、点火時期を例えば3度進角させるとアイドルからトップエンドまですべての領域で3度進みます。当たり前です。

上だけを完璧に狙うと、下が乗りずらくなります。上もそこそこ下もそこそこと狙うのが無難なとこでしょうか。

インジェクション車:

パワコマII, IIIr を付けることにより、どの領域でも自由に+−変更できます。各回転域で各々点火時期を設定できるわけですから、完璧です。

豆知識:なぜ点火時期をイジルのか(監修:Mr.K)

ピストンが圧縮上死点に達した時に火をつける。そうすると爆発しパワーとなります。理論上はそうなのですが、バイクのエンジンはかなり高回転です。ピストンが上死点に到達した時点で点火しても火が圧縮ガスすべてに回る前にピストンは下がり始めています。

また点火して圧縮されたガスすべてに火が行くまでにも時間があります。 ここまで書けばお分かりでしょうか?ノーマルはちょうど問題ない各メーカーが設定した瞬間に点火します。

一番よい点火時期とは。点火後、圧縮ガスすべてに火が行く瞬間にピストンが上死点にある瞬間。このポイントがベリーベストです。簡単に言うと、上死点に達する直前(まだピストンは上昇中)に点火するのです。

ノーマル時期よりも進角させ、より燃焼効率のいい瞬間です。イグニッションローターでも可能ですが、ある狭い領域しか狙うことができません。低速域には低速の、高回転域にはその領域のベスト時期があります。

ということで、ノーマルはマージンを取っていますので基本的には点火時期を”進める”ことでよりパワーを得ます。がしかし当然進めすぎると”ノッキング”がでます。

ノッキングの度合いがひどいと”タナオチ”や、ピストンが欠けてブローします。だからといって故意に遅角させてもだめです。点火が遅いと、当然ピストンが降下中に遅れて火がつきます。この時ピストン内は異常に高温度になります。結果としてピストンが溶けてブローします。

エンジンって奥が深いです。

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